深夜二時の独り言

余白と思考

🍃~深夜二時の独り言~  余白の駅

 

 

時計を見ると午前二時を過ぎていた。

 

眠ろうと思って布団に入ったはずなのに、頭だけがまだ起きている。

 

こういう夜がある。

 

今日の出来事を思い出したり、明日の予定を考えたり。

 

終わった話まで引っ張り出してきては、一人で反省会を始める。

 

昼間は気にならなかったことが、夜になると急に大きく見える。

 

あの時、ああ言えばよかった。

 

別の選択もあったかもしれない。

 

 

そんなことを考え始めると、思考は静かに広がっていく。

 

深夜の思考は少し不思議だ。

 

昼間なら五分で終わることを、一時間かけて考えてしまう。

 

そして一時間考えたところで、答えが出るわけでもない。

 

それでも考えてしまう。

 

たぶん答えを探しているわけではないのだと思う。

 

本当は、自分の気持ちを整理したいだけなのかもしれない。

 

人は不安になると答えを求める。

 

けれど不安の多くは、答えがないから不安なのではない。

 

気持ちを言葉にできないから不安なのだ。

 

仕事のこと。

 

人間関係のこと。

 

将来のこと。

 

どれも解決策がないわけではない。

 

ただ、自分が本当はどう感じているのかが分からなくなっている。

 

だから思考だけが空回りする。

 

深夜二時は、そのことに気付かせてくれる時間でもある。

 

静かな部屋の中で、自分の声だけが聞こえる。

 

誰にも見せない独り言。

 

誰にも言わない本音。

 

それらが少しずつ浮かんでくる。

 

私は昔、考えることが大事だと思っていた。

 

もちろん今もそう思う。

 

でも最近は少し考え方が変わった。

 

考え続けることと、考えを整理することは違う。

 

考え続けるだけでは、心は疲れていく。

 

整理すると少し軽くなる。

 

だから深夜二時に必要なのは答えではない。

 

「今、自分は何に疲れているのだろう」

 

その問いだけで十分な気がする。

 

答えが出なくてもいい。

 

全部解決しなくてもいい。

 

ただ気付くだけでいい。

 

そうすると少しだけ呼吸が深くなる。

 

窓の外を見る。

 

街は静かだ。

 

みんな眠っているように見える。

 

本当は誰かも同じように眠れずにいるのかもしれない。

 

そう思うと少し安心する。

 

深夜二時の独り言は、誰かに聞かせるためのものではない。

 

自分の心を見失わないための、小さな確認作業なのだと思う。

 

今夜もまた、眠る前に少しだけ自分の声を聞いてみる。

 

それだけで明日は少し違う朝になる気がする。

🍃 ここまで歩いてくださり、ありがとうございました。もし、この空気が好きなら、最初の一編から、もう一度ゆっくり歩いてみませんか。

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