🍃~コーヒーが少しだけ美味しい朝~ 余白の駅

毎朝、同じようにコーヒーを淹れる。
豆を挽く日もあれば、手軽にドリップを選ぶ日もある。
お気に入りのマグカップに湯気が立ち上る。
それだけの朝だ。
それでも、不思議なくらい美味しく感じる日がある。
理由は分からない。
昨日と同じコーヒー。
同じ部屋。
同じ窓。
それなのに、一口飲んだ瞬間に「今日はいい朝だな」と思える日がある。
そんな朝は、決まって静かだ。
テレビはつけない。
スマートフォンもまだ見ない。
窓から差し込む光を眺めながら、ゆっくりカップを持つ。
時計の針だけが静かに進んでいる。
忙しい毎日だからこそ、この数分がとても大切に思える。
昔は朝を急いでいた。
時間に追われ、コーヒーは目を覚ますための飲み物だった。
でも今は少し違う。
コーヒーは、自分を整える時間になった。
香りを感じる。
湯気を見る。
ゆっくり飲む。
その一つひとつが、「今日も始めよう」と心に伝えてくれる。
特別な出来事はなくてもいい。
大きな成功がなくてもいい。
朝のコーヒーが少し美味しい。
そんな日があるだけで、人は思っているより元気になれる。
幸せは遠くにあるものではない。
案外、毎日の中に静かに置かれている。
それに気づけるかどうかだけなのかもしれない。
最後の一口を飲み終え、窓の外を見る。
街が少しずつ動き始めている。
私も今日という一日へ向かう。
焦らなくていい。
比べなくていい。
まずは、この一杯を美味しいと思えた自分を大切にしよう。
そんな朝は、一日を少しだけ優しくしてくれる。
コーヒーが少しだけ美味しい朝。
それは、心に余白が戻ってきた合図なのかもしれない。
🍃 温かい一杯の続きを、もう一編。
🍃 朝の光は少しやさしい

🍃 朝は何も決めなくていい

余白の駅 ~忙しい毎日に、考える余白を。~