🍃~信号待ちで立ち止まる時間~ 余白の駅

信号待ちで立ち止まる時間
今日も一日が終わった。
仕事を終え、いつもの帰り道を歩く。
家まであと少し。
そんな場所にある横断歩道で、信号が赤に変わった。
「あと数秒早ければ渡れたのに。」
そう思いながら足を止める。
急いでいる日は、この数十秒がとても長く感じる。
でも今日は、不思議と違った。
立ち止まったからこそ見えた景色があった。
風に揺れる街路樹。
自転車で帰る学生たちの笑い声。
買い物帰りの夫婦。
散歩を楽しむ犬と飼い主。
信号が青になるまでの短い時間。
街はいつも通り動いている。
それなのに、自分だけが時間を止めたような感覚になる。
毎日、私たちは急ぎすぎているのかもしれない。
仕事でも、生活でも、将来のことでも。
「早く。」
「もっと。」
そんな言葉に追われながら歩いている。
でも、信号は急いでも青にはならない。
待つしかない。
だからこそ、その時間をどう過ごすかは自分で選べる。
空を見上げる。
深呼吸をする。
今日一日を思い返してみる。
何もしなくてもいい。
ただ立ち止まるだけでいい。
赤信号は、前へ進めない時間ではない。
心を整えるために与えられた、小さな休憩時間なのかもしれない。
やがて信号が青に変わる。
また歩き始める。
さっきまでと同じ道なのに、少しだけ足取りが軽くなっていた。
人生もきっと同じだ。
立ち止まる時間があるから、また前へ進める。
今日の赤信号は、遠回りではなく、私に余白をくれた時間だった。
⑧ 🍃こちらのエッセイもお読みください
🍃 立ち止まる時間が、次の一歩をやさしくしてくれます。こちらの二編もぜひどうぞ。
🍃 今日は空を見上げただけで十分だった

🍃 電車の窓に映るもう一人の自分

お読みいただき、ありがとうございました。
忙しい毎日の中で、この数分だけでも心を休める時間になっていたら嬉しく思います。
「余白の駅」は、慌ただしく過ぎていく日常の中で、少し立ち止まり、自分の心と向き合うための小さな駅です。
また次の駅で、お会いしましょう。
夜風