🍃~朝の光は少しやさしい~ 余白の駅

朝の光には不思議な力がある。
昨日と同じ部屋。
昨日と同じ机。
昨日と同じ自分。
何も変わっていないはずなのに、朝の光が差し込むだけで景色は少し違って見える。
私はその変化が好きだ。
朝は特別前向きな人間ではない。
どちらかといえば起きるのは苦手だ。
目覚ましを止めて、あと五分だけと思いながら布団に残ることも多い。
それでもカーテンの隙間から光が入ってくると、不思議と一日が始まる気がする。
夜の光は何かを照らす。
朝の光は何かを許してくれる。
そんな気がしている。
昨日うまくいかなかったこと。
言えなかった言葉。
終わらなかった仕事。
抱えたまま眠った不安。
それらが朝になると全部消えるわけではない。
けれど少しだけ角が取れている。
まるで光が優しく包んでくれているようだ。
子どもの頃は気付かなかった。
朝はただ学校へ行くための時間だった。
大人になると朝の意味が変わる。
今日を始めるための時間になる。
そして時々、昨日を手放す時間にもなる。
私は休日の朝が好きだ。
急ぐ必要のない朝。
予定が少ない朝。
コーヒーを飲みながら窓の外を見るだけの朝。
そんな時間の中で、光だけが静かに部屋を移動していく。
その様子を見ていると、何となく気持ちが整ってくる。
特別なことは起きない。
人生が変わるような出来事もない。
それでも心は少し回復する。
人は大きな出来事で元気になると思われがちだ。
旅行に行くとか。
美味しいものを食べるとか。
成功するとか。
もちろんそれも大切だ。
でも本当に疲れている時は、もっと小さなものに救われる。
窓から入る光。
湯気の立つマグカップ。
静かな部屋。
そんな何気ないものだ。
朝の光を見るたびに思う。
今日も完璧でなくていい。
昨日の続きでもいい。
少しずつ進めばいい。
そう思えるだけで十分だ。
光は何も言わない。
励ましもしない。
背中を押したりもしない。
ただそこにあるだけだ。
それなのに、人の気持ちを少しだけ変える力がある。
朝の光はきっと、希望そのものではない。
でも希望を思い出させてくれる。
だから私は朝の光が好きだ。
今日も窓辺に光が落ちている。
その光を見ながら、ゆっくり一日を始めようと思う。
焦らなくていい。
急がなくていい。
朝の光は、いつも少しだけやさしいのだから。
🍃 新しい一日を迎えるあなたへ。
🍃 朝の空気で少し戻る

🍃 朝の駅は少しだけ優しい

余白の駅 ~忙しい毎日に、考える余白を。~