終電前のホーム
終電前のホームが好きだ。
人が少なくなり、
昼間の慌ただしさが消えている。
駅は本来、
人を運ぶ場所だ。
朝は急ぐ人であふれ、
夕方は疲れた人で埋まる。
けれど終電前だけは違う。
どこか静かだ。
ベンチに座る人。
スマートフォンを見つめる人。
ぼんやり線路を眺める人。
みんな少し疲れている。
そして少しだけ静かだ。
私もホームの端で電車を待つ。
今日という一日を思い返しながら。
良かったこともある。
うまくいかなかったこともある。
人に言われた言葉を思い出すこともある。
けれど、
ホームに立っていると、
それらが少し遠くなる。
風が吹く。
電車の来る音が聞こえる。
アナウンスが流れる。
ただそれだけだ。
それだけなのに、
少し気持ちが整う。
駅は通過点だ。
誰も長くは留まらない。
でも時々、
人生にもそんな場所が必要なのだと思う。
立ち止まるためではなく、
次へ進むための場所。
終電前のホームには、
そんな空気が流れている。
今日もまた、
電車がゆっくりホームに入ってきた。